生徒会のプリンス

「なぁ、七海。」





「な、何?」





面と向かって七海なんて、あんまり呼ばれないから、少しドキッとしちゃったじゃん。





いつも、お前とか、おいとか、ブスとか……





「……もし、お前が他の誰かを好きになって、俺と恋人やってるのが嫌になったら、遠慮しないで言えよ。」





「えっ?」





「好きでもねぇやつと一緒にいるのは、七海も苦痛なんだろうなと思っただけだ。まぁ、俺もあわよくばもう少し巨乳のやつのほうが彼女としてありがたいんだけどな。」






「……ごめんね!幼児体型で。」





……本当はもっと怒りたかったけど、時折見せるこいつらしくない不器用な優しさが気になって、あまり怒ることができなかった。





「ねぇ、遠藤化粧品のさ、真珠の粉が入ってるとかいう化粧品ちょうだい。」





「お前なんかが使っても、豚に真珠だろ?」





「いいじゃん!」





「あー、ななちゃんが慎哉といちゃいちゃしてる!やっぱり慎哉の水着のお金とろうかな……。」





秀が戻ってきて、慎哉にまた威嚇してる。


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