生徒会のプリンス

「何にもないから。着替えてくるな。」





慎哉はそう言うと、ニコッと笑って、試着室の方に行ってしまった。





「慎哉が笑うなんて……うー。やっぱりあいつ、ななちゃんのこと好きなんだよなぁ……。」





「あのぉ……どうしたんですか?」





「いや、何でもないよ!はい!これ、水着と洋服ね!」





それはそれはかわいらしくラッピングされた箱を手渡してくれたんだけど……





「あの、ここまでしてくれなくても……」






「何言ってるの!ななちゃんは僕の初めてのお客さんだからねっ!これくらいは当たり前だよ!」






「ありがとう……」





……何か、すっごく嬉しい。


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