生徒会のプリンス
「……何だよ。人の顔、じろじろ見て。」
「あっ、うん。何でもない。」
「変なヤツ。」
「ななちゃん~、僕の顔はいつでもじろじろ見てくれていいからねぇ~。何なら写真でもあげよっか?」
「いや、結構です。」
随分、受け答えも上手くなったような気がする。
「お前も行くか?」
「……ううん。今日は帰る。もう遅いし。」
「えぇ~、ななちゃん来ないの~?行こうよ~?」
「家でお母さんが夕ご飯、用意してくれてるんで。」
「……ぶぅ。じゃあ、また行こうね?」
「はい。」
「絶対だよ?」
「分かりましたって。」
私はそう言いながら、慎哉の顔を見た。