生徒会のプリンス
「七海さん。もう一つ、頼まれてくれますか?」
はっ……私、今自分の世界に浸ってたよね?
何か、イタイ……
「はい、何ですか?」
「1年生の各クラスの鬼が会議室に集まってます。僕は手が離せないので、会長を連れて、説明に行ってもらえますか?」
そう言って、誠は紙袋を取り出した。
「各クラスの色のシールが入っています。それと、鬼であることが分かるように、タスキも巻いてもらうことにしました。これを配布して、諸事項を説明してください。」
「えっ、私がですか?」
「大丈夫です。ここに原稿はありますし、さっきコピーしてもらったプリントを配布してもらえれば、万事OKです。会長は、形式上いてもらわなければ困るので。」
「ちょっと、誠、俺にも説明くらいできるよ?」
どこから現れたのか、海斗がすかさず誠にツッコミを入れていた。