生徒会のプリンス


「大丈夫ですよ?海斗の説明、結構しっかりしてましたし。」






「お前も結構抜けてるから、その発言自体、信用できないけどな。」






突然、背後から聞こえたその声にドキッとする。






「いいえ。七海さんは会長と比べれば数千倍、しっかりしていますよ、慎哉。」






「まぁ、そりゃそうだけどさ。」






慎哉は誠にそう答えながら、私の顔を不思議そうに見つめている。






……何なのよ。






「……おい。」






「……な、何?」





「お前……「はーい!新入生のみんな~、聞こえてますか?生徒会執行部の書記、ななちゃんよりかわいい秀だよ~。」」






何かを言いかけた慎哉の言葉は、秀の大きな声の校内放送にかき消された。


< 189 / 260 >

この作品をシェア

pagetop