生徒会のプリンス

「で、なんで俺の部屋で寝てたんだよ。」





「あ、それは……タスキを忘れて、生徒会室に取りに来たんだけど、まだまだ時間あったから、みんなの部屋を片付けようと思って。誠のお手伝いも終わったから。」






七海は緑のタスキを結びながらそんなことを言っていた。






どうも上手く巻けていないみたいだけど。






「それで、妙に部屋が片づいてたのか。」





「うん。慎哉の部屋はまだマシなほうだったけどね。海斗の部屋とか凄まじかった。秀の部屋は鍵がかかっててできなかったけど。」





俺は七海の話に耳を傾けながら、思わず上手く巻けそうにもないタスキに手をやった。






「全く……不器用だな、お前。」






「……ありがと。」






やけに素直だな……反発してくるかと思ったのに。






「……ほら。」





思わず、黙っちゃったじゃねぇか。


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