生徒会のプリンス
七海は満足そうな笑顔を浮かべて、俺が巻いてやったタスキに目をやる。
「……で、俺の部屋の掃除が終わったら、疲れてベッドで寝ちゃったってわけか。」
「……うん、そうみたいだね。ごめん。」
「……まぁ、いい。」
俺がそう言うと、七海は驚いたような表情を浮かべた。
「どうした?」
「いや、慎哉のことだから、絶対に怒ると思ったから……」
「なんだ、怒られたかったのか。」
「いや、そういうわけじゃないけど……」
七海はあたふたしだした。
「……今更怒っても、時間は戻らないしな。それに、お前がよだれたらしながら寝てた、間抜けな寝顔も見られたし、俺は満足だ。」
「え……よ、よだれなんかたらしてないもん!ていうか、寝顔なんか見ないでよ!」
「仕方ないだろ、お前が寝てたんだから。それに、お前だって俺の寝顔、何回も見てるだろ。」
……思わず、笑みがこぼれる。着飾った笑顔でも、作った笑顔でもない。
自然な笑顔だ。
……何か、今すごく幸せだと感じた。