生徒会のプリンス

「それにしても、一人くらい見つかってもいいもんだけどな。」





「んー……そうだねー……」





もう30分は校内を歩いてる。





探すことが主な目的じゃなくても、あちこち見て回ってるわけだから、一人も見つからないっていうのは不思議。





「俺たちの探し方が下手なのか、新入生の隠れ方が上手いのか。」






「……両方じゃない?」






だって、私たち探そうとしてないし、新入生は隠れる場所の下見もしてたらしいし。







「そうか。でも、さすがに一人くらい見つけないとな。俺らのシールが貼られてないと、秀あたりが『誰も探さないで二人で何してたの!』とか言ってきそうだし。」






そう言って、慎哉は星のマークが描かれたシールを取り出す。






「……ペアでマーク変えたんだ。だったら、あり得るね。」






……後ですごく大変なことになりそう。


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