生徒会のプリンス

「ちょっと本腰入れて探すか。」





「うん、でも……隠れてるところ分かるの?」






「まぁな。」






慎哉はそう言うと、徐に歩きはじめた。






「でも、どこに……」






私が慎哉の後ろを歩きながら、そんなことを呟いていたときだった。







「はい、見つけたー。」






久しく聞いていなかった、慎哉の王子キャラが降臨した。






「君たちー、よくここを見つけたよねー。下見、頑張ったんだ?」






見つかった女の子2人に星のシールを貼りながら、慎哉は天使の微笑みを浮かべている。





私には見せない、国宝級の笑顔。






でも、今となってはあの笑顔より、無邪気に笑う慎哉の表情の方が好き……って、何考えてんだ、私。





「でも、残念!僕には勝てないよ?」




……あー、女の子たち、見つかったのに喜んじゃってるよ。

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