生徒会のプリンス

「じゃあ、携帯は?」





「俺は持ってない。生徒会室に置いてきた。」





「え、携帯持ち歩かない高校生って……」





「会社からの連絡とかうっとおしいからな。なるべく近くに置きたくないんだよ。まぁ、庶民のお前には分からないだろうけどな。」





あ、久しぶりに毒舌……





「そういうお前はどうなんだ?携帯、持ってるのか?」





「も、もちろん。今どき、携帯持ってない高校生なんて……」





私はそう言って携帯を取り出した。





「……あれ。」





「どうした?」





……そういえば。





「……充電切れみたい。」





昨日、充電するの忘れたんだっけ。





「……手詰まりか。」





慎哉はそう言って、またため息をついた。

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