生徒会のプリンス
「大丈夫ですか?」




向こうがぶつかってきた感じがしたから、謝らずにそう声をかけてみたんだけど……




「……痛ぇな。このクソ女。」




な……何?こいつ……。




私にしか聞こえないくらいの小さな声で、罵声を浴びせてきたんだけど……。




「きゃー!」




何よ!って言ってやろうと思った瞬間、周りの女の子たちがそのイケメンを囲んで、私たちを弾き出した。




「……大丈夫?七海ちゃん。」




「うん……。でも、あれ何?」




さっきとは打って変わって周りに愛想を振り撒く、胡散臭いイケメン……




「……あれは、私たちと同級生なんだけど、七海ちゃん、知らないの?」




「知るわけないじゃん。今日会ったばっかりなんだし。」




私がそう言うと、女の子の輪の中から、さっきのイケメンが出てきて、私の手を思いっきり引っ張って……




次の瞬間には、そのイケメンの腕の中だった。

< 6 / 260 >

この作品をシェア

pagetop