【短編】涙を見せない彼女
「どうして、篤人くんがここにいるの?
もうここに来ちゃダメじゃん・・・好きな子に勘違いされちゃうよ?」
熱で苦しそうだが、呆れながら知花子は俺を見る。
「・・・知花子、ごめん」
「え?」
「・・・嘘なんだ、昨日言ったこと」
「・・・う、そ?」
「あぁ…本当にごめん
知花子の他に好きな女なんていねぇし、別れたいなんて…全然思ってねぇ」
「…だったらどうして・・・私が昨日どんな想いで…」