【短編】涙を見せない彼女



知花子はそれだけ呟くとベッドに寝転がり壁側に向き、俺に背を向けた。





やっぱり・・・ダメだよな、こんな俺。

知花子の華奢な背中を眺める。

















「・・・お粥、作ってくれたら許してあげる」






・・・?






「えっ?」





「ちゃんと卵粥にしてね、篤人くん」



知花子は振り向くと俺にいつものように微笑んだ。





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