【短編】涙を見せない彼女
知花子はゆっくりと話してくれた。
まだ付き合ってなかった頃サークルの飲み会で、好きなタイプはとかって話題になったとき俺は
『好きなタイプは笑顔の子』
『嫌いなタイプはすぐ泣く女』
そう答えていたらしい…
「その時にはもう篤人くんのこと気になってたから…私、篤人くんの前では絶対泣かないって心に決めたの」
それが裏目に出るとはって知花子は苦笑い。
「・・・これからは俺の前でも泣いて良いから…」
「あ、でもね?篤人くんといると、全然泣きたいって思うこと無かったんだよ?
喧嘩しても、喧嘩できてるってことが幸せだったし」