ホストor先生?
Prologue
「あっ……ぅ、あぁ、んっ…!」
「気持ち、いい……?」
あたし………何やってんだろ、ホントに。
はぁはぁ……と荒くなる呼吸が二つ。
目の前には、名前も知らない男が一人。
あたしも、この男も。
ベッドの上で、何も着ずに。
ギシギシいうベッドと同じように、あたしも声を漏らす。
「あぁんっ……気持ち、い…いよ……おっ、あぁぁっ」
ホント面白くない。
この行為も
この男も
この時間も
この世界も
あたしも…。
なんにも面白くないや。
わかっていながら『何か変わるかも』って、明日を期待してしまう。
何も変わりゃしないのに。
そんな世の中があたしは嫌い。
でも……―。
また期待してる自分の方が、
もっと嫌い――………。