ボーイの通訳者。
「…わけが分からん。三上、通訳してくれ。」
先生は増田の話が全く掴めないようで、眉間にシワを寄せてポリポリ頭を掻いている。
因みに三上とは私のこと。
高校2年、三上奈津子。
「えー…っと…釣りをしに行ったけど、釣りよりももっと興味の湧くものが近くに居たから、釣りを止めてそれと遊んでたと言いたいんだと思います。…それはたぶん犬かと。」
「そうなのか?増田」
増田は首を縦に大きく何度も振りながら頷く。
私は何故か増田の言いたいことが分かる。