片道27分

男の腕を学ランの男子が
しっかりと掴んでいる

「離せよっ」

男が腕を振るい解こうと
するものの
微動だにしない


「すいません、彼女
僕の友達なんで
話かけないでもらえます?」

そう言うと学ランの男子は
にっこりと爽やかな笑顔を見せた


一瞬反抗しようとしていた男は
微動だにしない腕を前に
ぶつぶつ言いながら
歩いていった

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