不良少年と友達から
ふいに振り向いた胡桃がこちらにくりくりした目を向けながら大きく手を振る。
「好実ちゃん~!あ、千草ちゃんもいる。」
雄介くんはその隣で小さく頭を下げる。
私の隣で「胡桃ちゃん可愛すぎだよ!!欲しい!!」とはしゃぐ千草を一睨みして胡桃たちのところへいった。
「こんにちは、胡桃ちゃんのお姉さんとそのご友人ですね。瓜生雄介(ウリュウユウスケ)です」
はきはきとした敬語に目が点となる。
たしか私と愁真がみつかったとき、愁真はママにびびって逃げてた気がする。
偉いなぁ…。
千草が隣にいると安心して、こう思い出しても苦しくならなくなった。
「好実ちゃん、早く中に入ろうよぉ~」
裾をちょこちょこと引っ張る胡桃に微笑んで鍵を開けてはいる。
するとすぐに胡桃と雄介くんはリビングへ行って遊び始めた。
「ここにお菓子置くからね~」
「ごちそうさまです」
「好実ちゃん、ありがと」
二人の可愛い背中を見ながら自室で待っている千草の元に向かった。