不良少年と友達から
「おい、君…」
「寝坊だ。わりぃ」
「そうか、解散!」
立場もなにもあったもんじゃない、名前も覚えられなかった担任。
……逃げたな。
少しずつ足が向かう先は確実にこちら。
殴ったのが悪かったの?
ホントに勘弁してよ。
必死に目を反らすが、しっかり私を昨日のやつは見据えて立ち止まった。
昨日、胡桃たちがやっていたゲームのゲームオーバーを知らせる効果音が頭に流れる。
一息吸う。
「昨日は…「俺と友達になれ」
ごめんなさいを遮られた。
そうじゃなくて!
「と、もだち?」
まさに予想を遥かに越えた発言には言葉が詰まった。
「ああ」
けだるそうにつぶやくと自己紹介を勝手に始めだした。