不良少年と友達から

解散したあともぼうっとしていると目の前に影ができた。



「好実ちゃんこれから帰り、どうするの?」


相変わらずなんにもないのに嬉しそうにニコニコしてる千草。




「今日は胡桃が家で雄介くんと遊ぶらしいからお菓子買って帰るの。それからは適当かな」


小学生は何が好きかなぁ、と考えていると千草が顔をパアッと明るくさせた。



「じゃあさ、じゃあさ!今日好実ちゃんの家に行っていい?」


その表情はどこか胡桃に似ていて……可愛い………。



「好実ちゃん~?」


はっとすると顔の前で千草が手をヒラヒラとさせていた。



「あ、いいよ」


たったそれだけなのに千草はかなり嬉しそうに笑う。



私の友達は千草だけで十分だ。



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