偽造恋愛カレカノジョ!?
それが美夜ちゃんだった。


『あ・・・たしか、同じクラスの人だよね?』
透き通った綺麗な声。

(こんな綺麗な人、同じクラスにいたっけ?)

『ねぇ、ここで何してるの?』
美夜ちゃんが隣に来た。

『ん〜・・・まぁ、ちょっと・・・・』

『失恋したとか?』

(なんでわかったの?)

『あぁ・・・そうだね・・・』

『えっ?図星?・・・ごめん』

『いいよ、べつに』

『私もね、好きな人いるんだけど叶わないみたい。』

『そんなに綺麗なのに!?』

『え・・・。私なんか全然綺麗じゃないよっ!私ね、同じ人3年間好きなんだけど・・・全然振り向いてくれなくてさ。』

彼女は微笑んだ。

『3年間も!?』

『うん。・・・・あ、そうだ♪名前、まだ聞いてなかったね。教えて?』

“ドキッ”
大きな瞳に見つめられて心臓が弾けた。


『松本・・・・ひ・・・なた。』

『松本ヒナタくん?』

『日に向かうって書いてヒナタ!』

『よろしくね、日向くん』

『・・・俺、自分の名前好きじゃなくて・・・。なんか女みたいな名前じゃん?』

『そうかな?私はいい名前だと思うよ。日に向かう、だなんて、きっと深い意味が込められてるんだよ。』

そんな風に言われたのは初めてだった。

『ありがとう。でもどうせ日に向かう、ならヒュウガとかかっこいい読み方あるのになぁ・・・』

『ヒナタにすることに意味があるんだって!』

『・・・そうだね。俺のことは松本って呼んでくれるかな?皆そう呼んでるからさ。』

『ふふっ。よろしく、松本!』

『よ・・よろしく!』

『私は、ミヨ。美しい夜って書いて美夜ね』


(名前も綺麗だなぁ)




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