らぶ しぇいく
風が吹いて、夏が始まる前の独特な匂いがした。
一ノ瀬に恋をしたのは、確か去年の今頃だったな。
1年の時、隣のクラスに居たっけ。
食堂でしか会わなかった一ノ瀬。
遠くから見つめるだけで、お腹一杯で。
あん時、俺3キロくらい痩せた。
その日から、毎日食堂で一ノ瀬を探してはチラミして。
気が付けば2年に進級した。
かなり一途な俺。
でも、声をかける勇気は無くて。
今現在もチラミ止まり。
せっかく同じクラスになれたって言うのに…。
成長してねぇな。強いて言えば1回使うマヨネーズの量が増えたって事だけか。
コンビニでカップ麺とおにぎりを買い、自宅に戻る。
リビングで、お湯を沸かし出来上がったカップ麺にマヨネーズをかけながら、明日は一ノ瀬に声をかけようと決意した。