元ヤン彼女と吸血鬼彼氏

和歌side

私と陽菜で教室についた時はもう、人がたくさんいた。

「あたしの席はっと……あっ、あった！一番前とかあり得ないわ…」

私の席は廊下側の一番前の席。
あぁー、初めて[秋山]って言う苗字を恨んだわ…

陽菜はどこかなと思い、キョロキョロしていると

「和歌〜！」

後ろの方で、陽菜があたしに手を振っているのが見えた。
私は、項垂れながら陽菜の方に行き

「一番前とか、マジであり得ない！何⁈これは！拷問なの⁇あり得ないわ〜」

そんな風に愚痴をこぼしていた。
陽菜は、ずっとニコニコしながら
「あたし、秋山って言う苗字じゃなくてよかったぁ〜」

そん事をほざいていやがる…
東京湾にでも沈めてやろうか…
かなりダークなオーラを醸し出していると

「やだぁ、そんなに怒らないでよ〜！ちょっとしたジョークよジョーク笑」

クスクス人をバカにするような笑い方で私の肩を叩いてきた。

「陽菜のくせに…」
私は悪態をつきながら、陽菜を睨んでいると

「あっ、黒板に用意ができた生徒は各自体育館に向かえって書いてあるよ‼行こうよ、体育館に！」

キラキラした笑顔をあたしに向けてきた。昔から陽菜はそうだった、私が陽菜に怒ろうとすると必ずこう話をそらしてキラキラした笑顔を見せる。
こうすれば私が怒らない事をヤツは知っている。