私と俺と争奪戦
『―――取り敢えず、お前は神谷翔を誘え』
『はあ!?』
昨日の会話。
確かにあの時、翔はこう言った。
『んなことしたら私のヴァージンが!!』
『別にいいだろ?減るもんじゃないし』
減る。すごく減る。
『目的はアイツの意識を飛ばすことだ。そうすれば俺は元の身体に戻れる』
理屈は分かった。
『だったら相手の頭をぶん殴って気絶させるでもよくない?』
『それは最後まで取っておきたい。お前の身体にも負担がかかるしな。単なる火遊びだ。優衣も楽しんでこいよ』
『絶対に嫌!!』