私と俺と争奪戦
その直後、バンッと壁に身体を押さえ付けられた。
すぐ目の前には神谷翔の顔。
正体を知っていても尚、ドキドキしている自分が憎い。
「森居さん……君は悪い子だね。そんな事したら俺、止まんないよ?」
徐々に伸びてくる手。
いつの間にか形勢逆転だ。
「ちょっとタンマ!まだ心の準備が……」
「誘ったのは君の方だよ?いくらなんでもそれはないよね」
徐々に近付いてくる顔。
このままだと48歳のおっさんにヴァージンを奪われてしまう。
嫌だ。そんなの絶対に嫌だ。
「嫌……」