私と俺と争奪戦
私の身体は神谷翔へホウキを突き出した。
それをサッと避ける彼。
意識が遠くなりそうなのを必死にこらえた。
私は口を開いた。
「『勝手に人の身体を奪っておいて他人の娘を襲うとはいい度胸だな』」
私の声と翔の声が重なる。
途端に神谷翔の顔色が変わった。
「お前は……!」
「『久しぶりだなぁ、おっさん。どうだ?30年ぶりの学校生活は?』」
翔が不敵に微笑む。
私の身体はなされるままに微笑んだ。
「『お前が楽しんでる間に俺はずっと……!』」
「翔……早くして……」
私は小さく呻いた。
耳鳴りと頭痛が酷すぎる。