私と俺と争奪戦

「顔、赤くなってるぞ」

「違う。夕日のせい」

そう言うと翔は私の顎をクイッと持ち上げた。

「こっち見ないで」

恥ずかしい。
離してほしい。
翔から目線を反らした。

「―――お前、俺の事好きなんだろ?」

私の動きが止まった。
ゆっくりと翔の目を見た。

「知ってたの?」

「当たり前だろ。俺を誰だと思ってるんだ?」

翔はフッと笑った。

「優衣、俺の彼女になれ」

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