私と俺と争奪戦
「話変わるけどさ、優衣って変わったよね」
「何が?」
私が不思議そうに聞くと、真理は驚いた顔をした。
「だってアンタ、ここんところ体育の時間すごいじゃん!」
「え?どこが?」
「気付いてないの?こないだなんか走り高跳びクラスで一番だったじゃん!」
「嘘!?」
私が驚いた声を出すと、真理は怪訝そうな表情を浮かべた。
「知らなかったの?あの時凄く嬉しがってたのに?」
「あー……」
恐らくそれは私じゃない。
ここ最近、体育の授業を受けた記憶がない。
だとしたら翔の仕業だろう。