いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
するとお兄ちゃんはベランダに立って
夜空を眺めていた。


「お兄ちゃ・・・」


すると、お兄ちゃんの目から涙がこぼれ落ちた。


そして手すりを持つ手は震えている。


お兄ちゃん・・・


私はそれ以上お兄ちゃんに近づけなかった、
ただ悲しそうに空を見上げて涙を流すお兄ちゃんを
見つめていることしかできなかった。



私では・・・何もできない・・・


私は逃げるように一階に下りてみると、
母親がテーブルの上で頭を抱えうな垂れていた。


お母さん・・・


私はお兄ちゃんとお母さんの見て、
『またか・・・』そう思った。


家族が壊れて行くような、そんな感じ・・・



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