いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
くっ・・・


父の言葉に楓花は怒りを抑えられない。



「根性なし、根性なしって・・・
根性で体力が回復するか!!
それやったらお父さんが働けばいいやろ!!
元々はお父さんの借金のせいで
お兄ちゃんはこんな働いてるんやんか、
お父さんが自分で働いて借金返せばええねん!!」


「はぁ!? おまえ・・・
養ってもらってる分際で・・・
どの口がそんなこと言うんじゃぁぁぁ!!」


父は眉をひそめながら楓花に向かって来た。


子供が親のために働くのは当たり前のことや!!
誰のおかげでここまで
大きくなれたと思ってるねん!!」


「ううっ・・・」


『誰のおかげで大きくなれたと思ってるねん。』


そう言われると何も言い返せない、
昔から私とお兄ちゃんは
それを言われながら育った。


親への感謝、産んでくれた感謝、
育ててくれた感謝、
幼い頃からずっと
それを頭に叩き込まれてきた。


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