いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
私たち兄妹はいつもあの父親に
怯え生きて来た。


あの目・・・あの血走った目で
睨まれ怒鳴られると怖くて動けなくなる。


まるで蛇に睨まれた蛙、
これは動物的な反応なんだろうか?
何度あの目で睨まれてきたか、
何度あの手で殴られてきたか・・・


昔の人間はすごかった、
子供は親の言うとおりに生きるもの。
父はいつもそう言うけど本当なんだろうか?


私たちはその言葉に洗脳され育った。
親の言いことは絶対、逆らってはいけない。
いつの間にか怒られるのが嫌で、殴られたくなくて、
親の機嫌ばかり取るような子供になっていた。


お兄ちゃんは特に酷く躾されてきたから、
逆らうことなんて絶対にない。
反抗期なんてもちろん無かったし、
父の言われるとおりに生きてきた。


お兄ちゃんはいつだって父の言いなり、
まるでマリオネット、操り人形だ。
そんなお兄ちゃんを見てると可哀そうになる。


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