いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
私の名前は工藤楓花(クドウ フウカ)。 
16歳の高校生。
まだ親のスネをかじって生きている。


早く卒業して働きたい。
お金を稼いで家に入れたい。
それは決して親孝行のためじゃなく、
自立してこんな毎日から解放されたいからだ。

いくら恩着せがましい父でも
家にお金さえ入れれば
何も言わなくなるだろう、
だから私は早く働きたかった。


それにこれ以上お兄ちゃんだけに
負担を掛けたくなかった。



「ただいま。」

私が学校から帰ると、

「はい、ありがとうございます。 
はい、失礼します。」


取引先との電話対応を笑顔でするお兄ちゃん。


工藤雄志(クドウ ユウシ)
こと私の大好きな自慢のお兄ちゃん。
私より7年上で23歳。
昼は父の経営する小さな鉄鋼会社を手伝っている。



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