いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
「うん。」


わかってる、わかってるよ勝彦。


あなたは私と会うことを純粋に
うれしいと思ってくれてるんだね?
ヨリを戻したいとか、
そういうことを求めてくるわけでもない、
お金を貸してるからと
恩着せがましく強要するわけでもない、
ただ私と会う時間を楽しみにしてくれている、
私を大切に想ってくれている。


あなたの気持ちに応えられたらいいのに・・・


ごめんね、でもそれは勝彦への裏切りだもんね?
気持ちがお兄ちゃんにあるのに、
あなたとは付き合えない、ごめんね・・・


でも、でも・・・


「勝彦・・・」


「んんっ!?」


「お金はちゃんと返すからね?」


「うん、わかってるよ。」


勝彦はフッと微笑んだ。


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