いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
「おい、はよ配達行って来いよ!!」


「ああ、わかってる。」


いつも容赦なく父に使われるお兄ちゃん。


「おっ、楓花帰ってたんか? おかえり。」


「うん、ただいま。」


「じゃあ言ってくるわ。」


「うん、気を付けてね。」


「おう。」


そう言ってお兄ちゃんは笑顔で配達に出て行った。


本当はしんどいのに絶対に笑顔を絶やさない、
そんなお兄ちゃんを見てると、また胸が苦しくなった。



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