いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
「雄志見て、美味しそうでしょ?」


奈緒子はガラスケースに並ぶケーキを見て
ニコッと微笑んだ。


「うん・・・」


奈緒子・・・ 


俺はそんな奈緒子の横顔に胸がドキドキと高鳴った。


大好きだった奈緒子がこんなにすぐ近くに・・・


雄志が奈緒子の横顔に見惚れていると、
奈緒子は覗き込むように雄志の顔を見て訪ねた。



「誰かに買って行くの?」


「えっ!? あっ、うん。楓花に。」


「楓花ちゃん? そっかぁ~・・・」


奈緒子はちょっと安心したような表情を見せ微笑んだ。


「じゃあ、これなんてどう?
若い女の子にすごい人気やで。」


「えっ? どれ?」


「これ。」


奈緒子が指差したのはパイ生地でできた
なんとも不思議な形のケーキ。


最近のはいろいろあるんやなぁ~・・・
全然わからへん。


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