いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
「すいません、いきなりあんなことをして。」


公園に着くとまずは勝彦が奈緒子に謝った。


「いえ・・・」


奈緒子は静かにそう答えた。


男の子はまだ怯えながらも楓花を睨みつけている。
そんな男の子を見て楓花は視線を逸らした。


子供の前で私・・・最低だ・・・


「あのぉ~お兄さんの・・・
雄志さんの元彼女さんですか?」


「はい・・・」


勝彦が子供に気を遣いながら聞くと、
奈緒子は男の子の手を少し強く掴みながらそう答えた。


「楓花、どうしたんやいきなり?」


勝彦が俯いて何も言わない楓花の肩をそっと掴んだ。


「・・・・・」


「黙ってたらわからんやろ?」


すると奈緒子が口を開いた。


「あの・・・楓花ちゃんと二人で 
話をさせてもらえませんか?」


えっ!?


「えっ? ああ、いいですけど・・・」


勝彦は不安そうに楓花を見ながら答える。


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