いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
「将生をお願いしてもいいでしょうか?」


「えっ、あ、はい。」


奈緒子は男の子を手引き勝彦に預けようとするが、
男の子は奈緒子のそばを離れない。


「将生、お願い。 ちょっとだけ
そのお兄さんと遊んでて。」


「・・・・・」


男の子は口を尖らせたまま何も言わない。


「お母さんは大丈夫だから、ねぇ?
お願い将生。」



すると渋々奈緒子の手を放した。


「将生くん、あっちで遊ぼうか?」


勝彦はやさしく男の子手を引いた。



「すいません。」


奈緒子は勝彦に頭を下げた。


勝彦も頭を下げると、
楓花を見て微笑みながら一つ頷いた。


勝彦・・・


そんな勝彦に楓花もコクリと頷いた。



< 253 / 309 >

この作品をシェア

pagetop