いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
奈緒子さん、あなたはなんて強い人なの、
子供を一人で育てるなんて、
そんな覚悟、私にはとてもできない・・・


私は今、初めて奈緒子さんが
すごい人なんだと思った。


これだけお兄ちゃんのことを
想ってくれてたなんて・・・


私は別れた時、そして今も奈緒子さんを
罵ったことを酷く後悔した。


でも・・・でもやっぱりこんなの間違ってる・・・


「でもやっぱり無責任だよね・・・」


「えっ!?」


「将生のことも考えないでこんなことして・・・
雄志のこと信じてないと言われてもしょうがない。」


「・・・・・」


「でもこれだけは信じて、私は雄志を愛してる。
今でも変わらず愛してる。」


「奈緒子さん・・・」


「そして、雄志との子供、将生のことも愛してる、
私に一番の宝物だから。」


そう言って奈緒子さんは笑った。


その笑顔は子供を愛する母親の笑顔だった。


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