いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
「おとうさん・・・なの・・・?」


「えっ・・・?」


雄志の目は大きく見開き驚いた。


「そうだよ、将生のお父さんだよ。」


奈緒子はしゃがんで男の子の目線に合わせると、
やさしい表情でそう答えた。


「ちょっ、ちょっと待て、奈緒子!!」


「お兄ちゃん!!」


「楓花・・・」


「その子はお兄ちゃんの子だよ?」


「えっ!?」


「お兄ちゃんの分まで奈緒子さんが
ずっと一人で育てて来たんだよ。」


「・・・そんな・・・
奈緒子、ホンマなんか?」


奈緒子はコクリと頷いた。


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