いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
「ねぇ将生、お姉ちゃん綺麗だね?」


「う、うん・・・楓花、きれいやぞ。」


将生は照れながら目を逸らしてそう言った。


「ありがとう、将生くん。」


楓花は将生にやさしく微笑んだ。


「お姉さんも着ればよかったのに。」


「そうね・・・でも着るとしても、
この子が生まれてからかなぁ~。」


そう言って奈緒子は自分のお腹を擦った。
そう奈緒子のお腹の中には新しい命が宿っていた。


「そうだね・・・」


楓花もそのお腹をやさしく擦った。


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