いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
「お姉さん、お兄ちゃんは?」


「ああ雄志? もう着く頃やけど・・・」


「そう・・・」


お兄ちゃん・・・


楓花は心配そうに窓の外を見つめた。


コンコン。


「すいません!! そろそろお時間です。」


「あ、はい。」


係員の人が式の始まりを知らせに来た。


お兄ちゃん・・・まだ・・・?


「雄志遅いね・・・私ちょっと見てくるね?」


「うん。」


そう言って奈緒子が部屋を出ようとした時、

ガチャ。

扉が開き雄志が顔を出した。



< 296 / 309 >

この作品をシェア

pagetop