いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
お父さん・・・


楓花はチラッと父親を見た。


「楓花、綺麗や・・・」


父親は微笑みながらそう言った。


「お父さん・・・」


なんやろう、そう言われただけで、
その言葉を聞いただけで体の底から何かが込み上げてくる、
体があったかくなる。


「楓花、ごめんな今まで・・・」


「えっ!?」


「楓花や雄志にいっぱい迷惑かけて来た、
いっぱい辛い思いをさせて来た、
ホンマにごめんな・・・」


「お父さん・・・」


お父さんの口からこんな言葉が出るなんて・・・
ずるい、ずるいよ今さら・・・


楓花の目から涙がこぼれ落ちた。


< 298 / 309 >

この作品をシェア

pagetop