いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
「ごめんな・・・」


お父さん?


父親の目からも涙がこぼれ落ちる。


泣いてるの? お父さん・・・


「ごめんな・・・」


「お父さん!!」


楓花は父親のそばに駆け寄り膝を付いた。


「もうええよ、お父さん。
もうええんよ・・・」


そして父親の手を両手で握るとそのまま顔を伏せた。


「楓花・・・」


そんな楓花の頭を父親はやさしく撫でた。


「お父さん・・・」


お父さん、私もごめんね、
素直な娘じゃなくてごめんね・・・
幼い頃はとてもやさしかったお父さん、
そんなお父さんに私はいつも守られていた、
いや、今もこうやって守られているのかもね・・・


ありがとう、お父さん・・・


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