いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
「お兄ちゃん、ごめんね、無理言って。」


「いや、全然。」


「ありがとうお兄ちゃん。」


楓花はニコッと笑った。


形はどうであれ、私の夢は叶った。


「お兄ちゃん、今までありがとうね。」


「えっ!?」


「長い間お世話になりました。」


楓花は雄志に小さく頭を下げた。



「おい楓花、それは俺じゃなくて親父に言うことやろ?」


「ええの、私はお兄ちゃんやの。」


「フフッ。」


「お兄ちゃん・・・」


「んっ!?」


「最後にもう一度だけ、ギュっとして?」


「えっ!?」


「お願い。」


「わかった。」


そう言って雄志は楓花を抱きしめた。


< 301 / 309 >

この作品をシェア

pagetop