いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
「ハァハァ・・・」


どれくらい走っただろう?
楓花は走り疲れ、その場に立ち止まり、
膝に手を置いて俯き息を切らした。


なんでよ・・・

なんでよ・・・

私がそばにおるのになんでよ・・・


楓花の目から一滴の涙が落ちる。


お兄ちゃんのアホ・・・


「あれ!? 楓花ちゃん!?」


「!?」


楓花の前に一人の男性が立ち止まった。


楓花が顔を上げると、

「舛田さん・・・?」

スーツ姿でビシッと決めた
桝田さんが立っていた。



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