いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・
「楓花ちゃん?」


あの家に帰りたくない・・・


「楓花ちゃん、どうした?」


桝田は心配そうに楓花の顔を覗き込んだ。


「帰りたくない・・・」


「えっ!?」


帰りたくないよ・・・あんな家なんか・・・

お兄ちゃんのとこなんか帰りたくない!!


楓花はギュッと目を閉じた。


「どないしてん?」


桝田はそっと楓花の肩に手を触れた。


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