中3、冬。
春日
ーーーーー・・・春。
雪が融け緑の草がひょこっと顔を出す。
とある、一軒家の二階に少女が居た。
憧れていたセーラー服の袖に腕を通し、
タイを結ぶ初々しい姿。
一ヶ月前より、少し短くなった
スカートたけ。
「行ってきます!」
新品であろう革製スクールバックと
ローファーが日に当たり、
黄金色に煌めいていた。
まだ細く折れそうな蒲公英は
必死に少女を祝福するように
風と共に揺らぐ
志摩奏子、高校一年生になりました。