一人睨めっこ
「だ……黙れ!!!!」
俺は思い切り手を突っ込んだ――水の中へ。
瞬間、
「――――ぁっ」
何とも言えないような感触に襲われる。
ヌルッとしたような
ドロッとしたような
俺はやっと思い出した。
今
水の中にはもう一人の俺の魂があるんだ――。
つまり俺は
魂の中に、手を入れている。
『おっ……い、やめろ!!』
もう一人の俺は叫んだ。
水面が揺れ、写っている顔が歪んで見えた。
『てめ……やめろって!!』
「お前なんかに、俺の体は渡さない――!!!」
俺は無意識の内にそう叫んでいた。
これが俺の本音だったのかもしれない。
悔しかった。
平凡で、地味だった俺にも
頼りになる親友が居て
好きだと言ってくれる人が居る
って分かったのに、
体を取られるなんて
「嫌だ…………」
俺は水の中に手を入れたまま、魂を握り潰すかのように、ゆっくりと指を曲げていった。
俺は思い切り手を突っ込んだ――水の中へ。
瞬間、
「――――ぁっ」
何とも言えないような感触に襲われる。
ヌルッとしたような
ドロッとしたような
俺はやっと思い出した。
今
水の中にはもう一人の俺の魂があるんだ――。
つまり俺は
魂の中に、手を入れている。
『おっ……い、やめろ!!』
もう一人の俺は叫んだ。
水面が揺れ、写っている顔が歪んで見えた。
『てめ……やめろって!!』
「お前なんかに、俺の体は渡さない――!!!」
俺は無意識の内にそう叫んでいた。
これが俺の本音だったのかもしれない。
悔しかった。
平凡で、地味だった俺にも
頼りになる親友が居て
好きだと言ってくれる人が居る
って分かったのに、
体を取られるなんて
「嫌だ…………」
俺は水の中に手を入れたまま、魂を握り潰すかのように、ゆっくりと指を曲げていった。