一人睨めっこ
『そんなっ――』

「強がっても無駄だ。性格が違っても俺はお前だ、そして又お前も俺だ」

 ――俺はお前だ、そして又お前も俺だ――

 最初の一人睨めっこの時、お前が言った台詞だぞ。

『……じゃあお前、体くれるのかよ?』

「いや、やらない」

『!? 何で……』

「俺の体を手に入れても、お前は一人のままだよ」

 淳や真奈美がこいつに親しくする訳が無い。



 俺は――決めた。

「真奈美……」

 俺は、真奈美から貰ったペンダントを外した。


「俺も、真奈美が好きだ」

 そう言って俺は外したペンダントを真奈美の首に付けた。
 そして俺は真奈美を抱き寄せた。

『!?!?』

 そのまま――真奈美と唇を重ねた。

 キスの味は甘酸っぱいとか言うけど、今の俺にはそんな事全く分からなかった。

 唇を離すと、顔を真っ赤にした真奈美が居た。

 俺だって、恥ずかしかったよ……。
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