一人睨めっこ

三節 手紙

 ――真琴。

 真琴が死んで、もう一ヶ月が経ったよ。

 すごい、悲しかったんだから。
 すごい、辛かったんだから。
 最初はね、私も真琴の後を追おうかなって思った。
 でもね……皆が止めてくれたんだ。

 ……宮下は、誰よりも辛かったと思うよ。
 けれど私の事も一生懸命励ましてくれたし、本当に助かった。

 駿兄は、泣かなかった。
 いつも通りに笑ってたよ。
 ――皆の前ではね。

 優様は、少し自分を責めてたの。
 誰も、悪くないのに……。
 優しいからこそ、辛いんだよね。

 林田はさ、高村麗香が亡くなったのもあって暫く顔を見なかったんだけど、数日前に会ったの。
 悪かったなって言ってた。
 凄い顔が真っ赤だったよ。

 チイラは霊だから涙が出なかったみたい。でも大泣きだよってさ。


 真琴は平凡でも地味でも、こんなに愛されてるから。

 真琴と話したりしたのは凄く短い期間だったけど、私は真琴にひかれてた。
 私の家族話、安っぽい同情しないで聞いてくれたのは真琴が初めてだった。
 本当にエロで発情期だけど、キスしてくれたの嬉しかったよ。

 真琴――大好き。


 葛西 真奈美
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